シオゾールの製造中止と薬価制度について
毎日の買い物でも物価高を感じている方が多いと思いますが、生活必需品だけでなく薬に関しても物価高の影響が如実に出ています。日本では薬価(薬の値段)が国によって決められていますので、製薬会社が値上げをすることができません。この物価高の中、医療費削減という名目で逆に値段を下げられてしまっている薬も多く、薬の供給が非常に不安定な状況が続いています。
以前と比べて原材料費、製造や保管にかかる費用、輸送にかかる費用などあらゆるコストが上がっていますし、円安によって輸入している材料の調達費用も上がっています。それらの費用を価格に転嫁することができないため、採算の取れない薬剤については製造中止を選択せざるを得ない製薬会社が増えています。リウマチ関連ではシオゾールが現在、原薬の調達が不可能となり製造中止となっています。シオゾールは非常に安価(1か月の薬代367円)で、最も安く治療できる薬剤でした。使っている患者さんは少なく、当院でも2名にしか使っていませんでしたが、2名ともシオゾールで寛解状態を維持できておりました。治療の選択肢が1つなくなったことは非常に残念ですし、安価な薬剤から高価な薬剤に切り替えざるを得ないという矛盾もありますが、現在の薬価制度では致し方ないだろうとも思います。他疾患の治療薬についても、あらゆる分野で製造中止や出荷調整が相次いでおり、枚挙にいとまがありません。また、日本から撤退することを決めた製薬会社も出てきています。
どの科の先生方も、なんとか工夫しながら診療を続けていますが、このままでは今後、現在の水準の医療を提供できなくなっていくのではないかと危惧しています。
